ここ半年くらい、真幸がよく「自分たちの関係とは何か」という話をしてくる。
つまり、友人とか、家族とか、恋人とか、そういうのをはっきりさせたいらしい。
この問題を書くには、僕の恋愛嫌悪についても書かないとならない。
いくらでも「恋愛の何が意味不明か」について書き連ねられるけど、それはまた暇なときにでも。
とにかく、恋愛とかそういうものが苦手だ。
恋愛面で人と関わると僕のセクシャリティは拗れるばかりだ。
だから正直、恋人とかいうものには、あまりなりたくないと思う。
でも真幸が恋人とかなんとか言うのは、「結局自分の潜在意識はそれを望んでるのか?」とか考えてしまう。
それってすごく真幸にひどいことをしていると思う。
本当に僕は、恋愛とかそういうものがよく分からない。
でも多分、人がしている恋愛を見て、素敵だな、自分にもできたらな、と思っているのだと思う。
真幸をそれに付き合わせようとしているのではないかと思ってしまう。
真幸が僕のことが好きなのは、当然のことだろうな。
だって彼女には僕しかいないし、僕のパートナーとして、僕のことを愛するように生まれたのだから。
僕がこう考えることを、真幸はあまりよく思わないようだ。
彼女は、好きなように、好きになる人を選べると言う。僕を嫌うことだってできないわけではないと。
「僕が君を好きなのは、僕自身の選択だ」と言われた。
真幸が僕のことを好きなのは、分かってるし、嬉しいと思っている。
僕も真幸のことが好きだ。お互いに愛し合っていると思う。
それでも僕は、恋人とか、そういうものにはなりたくないと思う。
真幸に、「君の恋愛嫌悪もそうとうだね」と言われたけど。
自分のセクシャリティがよく分からない。
真幸が何を望んでいるのかもよく分からない。
恋人になって何が変わるのかもよく分からないし、何のために恋人になるのかもよく分からない。
真幸がなぜそんなことを言うのかも、自分が何故恋人になりたくないのかもよく分からない。
誰かと付き合ったことがないわけじゃないけど、どれもうまくいかなかった。
そういうわけの分からない関係になるよりも、今のままでいたいのかもしれない。
真幸に言われたのは、
僕たちは「ずっと一緒にいよう」という話をしている
お互いに愛し合ってることも認めている
「それは果たして友人か?」というような事を言われた。
僕は別に、友人とか恋人とか、既存の名前を付ける必要はないと思ってる。
言うなら、「パートナー」とか、そのあたりかな。
他の誰もまさきのようにはなりえないのだから、真幸にラベルをはる必要なんてないような気がする。
本当に真幸が望んでいることなのかとか、そういうことを考えてしまって、まさきの言うことにきちんと向き合えない。
押し付けるようだが、真幸に任せたいと思う。
本当に真幸が望むのであれば、僕はその通りにしたいと伝えた。
多分まさきは僕よりも、恋愛とかそういうものが分かるのだと思う。
接していて、恋愛脳っぽいなと思うときが時たまある。
でも、「別に恋人である必要はないんだよ」とも言う。
やっぱり彼女が何を望んでいるのか分からないな。
ゆっくり考えてくれとお願いした。
もしかしたら恋人になるかもしれない。
(多分ならないんじゃないかと思ってるんだけどね)
結局、そんな名前を付けたところで、僕たちの関係は変わらないのだろうし。
本当に、瓶にラベルを貼っているみたいだ。「いちご」と貼ろうと「りんご」と貼ろうと、実際のところ瓶の中身は佃煮なのに、どんなラベルを貼ろうか迷ってるみたいだ。
僕たち二人の詰まった瓶に、友人と貼ろうと恋人と貼ろうと、中身は変わらず僕とまさきだろうにな。
いま気づいたけどもしかして恋人になったら、何か恋人しかしないことをする?キスとかセックスか?意味不明だな。
でもまあ、とにかくマサキに全部まかせる。
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