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えむえむず

楽しく生きてるやつの日記みたいなもんです。

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にわのりんご  

まさきの寝物語そのに

***

少女は庭にりんごの木のある家に住んでいた。

りんごは白い花を咲かせて少女を楽しませたし、その後は大きな甘酸っぱい果実をたわわに実らせた。

ある日りんごがこう言った。
「私の花は美しいのでしょうか」

少女はにっこり笑って頷いた。
「もちろん!あなたは美しいわ」
りんごは嬉しくなって、一等綺麗な花をたくさんつけた。

たくさんの花をつけた庭のりんごを見た母が、少女にたずねた。「いったいどうやって、そんなに花を咲かさせたんだい」

少女は、
「りんごに美しいと伝えたのよ」
と母に教えた。

しめしめと思った母は、庭のりんごにこう言った。
「あなた、甘いりんごをたくさんお付けなさいな、でないと切り倒してしまうからね」

その言葉にりんごは怯えて
「いつものりんごではいけませんか」と聞いた。

「あなた向上心はないのかしら、いつものよりもっとずっと甘くなさい。あなたできるでしょう、頑張りなさい」
母親はりんごにそう言い付け、帰ってしまった。

さて困ったりんごは、どうしたら甘くなれるのか考えた。そして水を控えれば、その分実が濃くなるのではと考えて、水を飲まなくなった。

しかしそのうちひどい日照りがやってきて、水を蓄えていなかったりんごはほとんど枯れて、すっかり花を落としてしまった。

「あなたの実、毎年とてもおいしかったのにね」

少女がそういったのを、りんごはただただぼんやりと聞いていたのだった。

おしまい
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ねこのおまつり  

まさきのしてくれる寝物語をわすれないうちに書き留めておく。その1

***

むかし、旅のねこが大きな湖のある町を通りがかったとき、あんまりにそこの人が憂鬱な顔をしているもんだから、ねこは人に声をかけた。
「なあお前さんたち、どうしたんだい、そんなにくらい顔をして」
町の人たちはとんと困り果てた様子でねこに説明した。
「もうひと月も雨があがらないのだ。今は止んでいるが、すこしの間だけだ。すこし止んだと思ったら、またすぐに降る」
町の人のはなしを聞いて、ねこは嫌そうな顔をした。
「それは困った。おれは雨がきらいだ」
ねこが空を見上げると、ちょうど、どんよりと分厚い雲からしとしとと雨が降りだした。ねこはみんな雨がきらいなので、困ってしまった。
「こんなときだ、よければ私たちと一緒に来るといい」
ねこの様子を見た町の人は、立寄った旅人がつらい思いをするのを心苦しくおもって、ねこを家に招きいれ、ミルクとあたたかい寝床を用意してやった。

その夜町の人は、みんなで集まって、いよいよ困ったと話をしていた。
「みずうみの水が増えてしまって、もうじきに家の床までみずびたしだ」
「どうにか雨を止ませられないものか」
すると話を聞いていたねこが、
「一宿一飯の恩のかわりに、おれがどうにかしてみせよう」
と言った。町の人たちはそれを聞いて驚いたが、自分たちにできることもないので、ねこを頼ることにした。

次の日、ねこは雨の止んだころあいを見はからって町に出て、町中のねこに声をかけた。
ねこたちはかさの増えたみずうみのふちまでやってきて、手を洗い出した。
町の人たちはそれを見て、一体なにをしているのかねこに聞いた。
「ねこが顔を洗ったら雨が降るとか、手を洗ったら雨が止むとか言うだろう」
ねこたちはみんな手を洗い終えると、今度はくるくるとその場で回り出した。
町の人たちはそれを見て、一体なにをしているのかねこに聞いた。
「ねこがしっぽを噛んでまわったら晴れるって言うだろう」
それからねこたちは列になると、前のねこのしっぽをくわえて湖の周りを歩き出した。
「おおきくやったら、効果は絶大さ」
たくさんのねこが前のねこのしっぽをくわえながらどんどんと歩いていった。
すると分厚かった雲が次第に薄くなっていき、ねこたちがみずうみを一周して帰ってくるころには、空はすっかり晴れていた。

町の人たちは大層ねこに感謝して、たくさんの豪華な料理をふるまって、一週間もねこたちと踊りあかしたという。
それでいまでもみずうみの人たちは、7月の雨が上がるころにお祭りをして、ねこに感謝をしているそうだ。

おしまい。

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